フィリピンの地域別の治安、よくある犯罪と対処法について

旅行や留学時に確認をしておくべきフィリピンの治安と犯罪の傾向、トラブルから身を守るための方法と対処法について解説

公開日:2015-12-24 更新日: 2023-08-28

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フィリピンのの治安について

まず「フィリピン」と聞いて皆さんが思い浮かべるイメージはなんでしょうか?

最近はセブ島やボラカイ島などがリゾート地なども有名になってきたため、よいイメージも持っている方も沢山いらっしゃると思いますが、その反面、途上国の貧しい国で治安もあまりよくないのでは?と思っている方も多いと思います。

この記事を書いている私は約20年以上前からフィリピンに携わりフィリピン専門の旅行会社「マブハイチケット」、セブ島留学エージェント「セブ島留学マスター」を運営しており延べ20回以上フィリピンに訪れていますのでフィリピンの事情には精通しています。

実際に自分がフィリピンに行き経験した事とデータを交えて解説をしますのでこれからセブ島へ旅行や留学を検討している方は是非参考にしてみて下さい。

目次[開く]

フィリピンは治安が悪いと言われる理由

犯罪者がやたらとフィリピンに逃げるということが第一に挙げられます。

フィリピンに犯罪者が逃亡する度にニュースなどテレビで大きく報道されるため、フィリピンのイメージを悪くしている大きな要因の一つだと思います。

2022年に起こったルフィと名乗る人物がフィリピンの刑務所に収監されながら闇バイトを通じて集めた人々に複数回の強盗させ、うち1人を殺害した凶悪犯罪は記憶にも新しいかと思います。

今回のケースだけではなく昔から事実としてフィリピンでは警察などの買収が容易でお金さえ渡せば何とかなる国として認知されています。

そのため、多くの人は犯罪者がマニラに逃亡するニュースは幾度となく聞いたことがあるのではないでしょうか。

フィリピンと諸外国との犯罪発生率の比較

フィリピンで多い犯罪の種類

それでは次に実際のフィリピンで起こっている犯罪ごとのデータを比較して検証をしてみたいと思います。

フィリピンにおける殺人発生率

※2013年の国連薬物・犯罪事務所(UNODC)のデータより抜粋

人口10万人当たりの殺人件数。分かりやすく比較するため日本にも馴染みのある国を抜粋して比較しています。

順位 国名 発生件数/10万人あたり
1位 ホンジュラス 42.9人
10位 南アフリカ 31.8人
14位 ブラジル 26.5人
53位 フィリピン 9.3人
56位 ロシア 9.0人
94位 タイ 4.9人
112位 アメリカ 3.8人
167位 カナダ 1.4人
211位 日本 0.3人

フィリピンの順位というよりやはり日本の殺人発生率の低さに驚かされますね!

フィリピンにおける強盗発生件数

次に強盗発生率を見ていきましょう。※強盗とは暴力などを用いて他人の財産を強奪する行為の事を指し、フィリピン・セブ留学に置いても被害報告が多い犯罪です。

順位 国名 発生件数/10万人あたり
1位 ベルギー 1,616人
13位 フランス 193人
15位 スペイン 183人
20位 アメリカ 107人
27位 カナダ 66人
33位 フィリピン 50人
73位 日本 2人

こちらもフィリピンの順位は上位ですが、観光地などで有名な国が上位に名を連ねていますね。

尚、2015年12月現在では、フィリピン・セブ島における留学生殺害事件などは未だ起こっていません。

むしろ留学生が巻き込まれる可能性が高いのは強盗やスリなどになりますので、そういった犯罪においてはフィリピンが諸外国に比べても平均であり、そこまで悪い数値は出ていません。

ただ、上記を見て分かるように日本は諸外国に比べ圧倒的に治安が良い国です。

日本の治安を基準にしてフィリピンで留学生活を送るのは非常に危険なことです。

留学生活を終えるまで自分が日本ではなく海外で生活しているという認識と、しっかりとした危機管理を持って生活する事が重要になります。

フィリピン国内の地域別の治安について

セブ島

セブ島

フィリピン留学=セブ島留学のイメージがある通り、フィリピンでも一番人気の留学先であるセブ島。

フィリピン第二の都市で商業施設、ビジネスエリアが集中するセブシティとリゾートホテルが建ち並ぶマクタンエリアに分かれ、フィリピンに留学している学生のほとんどはセブシティの学校に集中しています。

セブシティ、マクタン島ともにメインストリートを一本道を曲がるとガラっと雰囲気が変わり、一気に危険度が増しますので注意して下さい。

日中は観光客が多く、繁華街であってもそれほど危険ということはありませんが、夜になると一気に危険度が高まります。特に人通りの少ない道には近づかないようにしましょう。

コロンストリート、カルボンマーケットなど治安が悪いと言われているエリアに興味本位で立ち寄るのは絶対にやめましょう。

夜間、タクシーでセブシティからマクタンへ移動する場合、メーターではなく交渉制になることがほとんどです。(夜間、マクタン島ではセブシティ行きのお客さんを拾うことができないため、値段を吹っかけてきます。) メーターを回してくれるタクシーを見つけたかったらタガログ語で話すか、何台もタクシーを呼び止めるかのどちらかですが、留学生にはどちらもレベルが高いですしお勧めも全くできません。素直に料金交渉に応じましょう。 300ペソ~400ペソが相場です。500ペソといってくるドライバーもいますが、流石に高すぎなので、もう少し安くしてもらうか駄目なら別のタクシーを探しましょう。

クラーク

クラーク

クラークは比較的安全なエリアです。経済特区内の学校であれば、まず安全でフィリピンで留学するのであれば一番治安の良いエリアといってもいいでしょう

経済特区内に入るためには、必ず警備員によるチェックが行われ、唯一フィリピンの公道でのジョギングを安心してできるエリアです。

ただし、経済特区から一歩出れば、アンヘレスのような有名な歓楽街などの治安の良くないエリアもある点には注意をしましょう。

あくまでも治安面で問題がないのは経済特区内で、それ以外のエリアの治安はよいとも悪いとも言えずフィリピンでは平均的な治安のエリアです。

バギオ

バギオ

バギオはフィリピンの語学学校があるエリアとしては最も治安がよいエリアです。

マニラやセブと比べ娯楽施設などが少なく安心して留学生活を送れるエリアです。

マニラやセブ島ではタクシーの運転手がお釣りを返してくれなかったりしますが、バギオではそのような事もありません。

但し、夜間の外出はお勧めできないの Session road(セッションロード)の近くにあるハリソンロードで行われているナイトマーケットでは人通りも多いため、スマホや財布のスリには十分注意しましょう。

ダバオ

ダバオ

ダバオは日本の外務省の渡航情報で渡航危険スポットに指定されているミンダナオ島の州都ですが、とても治安のいい地域です。

ミンダナオ島が渡航危険区域に指定されているのはムスリムの反政府活動が主な理由ではありますが、その反政府活動の主な拠点とダバオ市内とは距離がかなり離れていますので全く問題ありません。

ダバオ市はかの有名なドゥテルテ大統領が市長をしていた名残もあり、条例が厳しいことが有名で、タバコのポイ捨ては禁止、飲食店では深夜0時を過ぎるとアルコールの提供が禁止されています。 こういった厳しい条例がダバオ市の治安の良さに繋がっているといえます。

とはいえ日本と比べると当然治安はよいとはいえないため、夜中に一人歩きをしたりなどの行為は避けましょう。

バコロド

バコロド

語学学校が位置するバコロド市は人口40万人を超え、フィリピンの中では大都市に部類されてはいるが、実際には農業が盛んで緑の多い田舎町で、微笑みの街とも称されフィリピンの中では治安がとても良いエリアとなります。

治安の良さは"あくまでフィリピンの中で"の話ですので、夜間の独り歩きやトラブル時に抵抗をするなどの行為は絶対に避けるようにしましょう。

イロイロ

イロイロ

イロイロは大学数が40校を超え学園都市として名高い街で、治安が良いエリアとなります。

人口は40万弱と田舎特有の温厚なフィリピン人が多く、タクシーなどでぼったくられる可能性も低くセブなどに比べると安心して留学生活を送る事が可能なエリアです。

マニラ

マニラ

マニラはフィリピンで最も治安の悪いエリアです。

普段日本で見かける悪いニュースのほとんどマニラで起こっている事件です。

マカティなどのビジネスエリアはそれほど治安が悪くないのですが、エルミタなどの歓楽街は特に治安が悪くなります。

ストリートチルドレンが日中、夜間を問わずおり、コンビニから出るだけで日本人とみるや、大勢に取り囲まれます。 治安の悪さから語学学校はあるもののあまり人気のないエリアです。

日本人留学生が実際に巻き込まれている犯罪や事件

トランプ詐欺

トランプ詐欺

トランプ詐欺は昔からかなり多くの日本人留学生が巻き込まれている犯罪です。

色々なケースがありますが、基本的にはモールやバーなどでフィリピン人に声を掛けられ、話しているうちに仲良くなり、自宅に招待され富豪が来てるから掛けトランプで一緒に儲けよう、などと巧みに誘われ、気が付くと、有り金全部を払わされる、更に足りない額はカードを使い支払いをさせるなどの手口です。

スリ

恐らく日本人留学生が一番被害に遭っていると思われるのがスリでスマホをすられるケースが目立ちます。

特にジプニー内でスリの被害が多いため、ジプニーに乗る場合にはしっかりと荷物の管理をしていないとスリに合う可能性が高まります。

貴重品はポケットなどに入れず、ショルダーバックなどしっかりと口が閉じれるバッグで、中身が入ってる方を体の前に持ってくるなどしっかり管理しましょう。

また、路上でのスリも本当に多いため、フィリピン人に話しかけられても、基本的には無視するか相手にしないようにしましょう。

強盗・恐喝

強盗・恐喝

こちらも留学生の被害報告件数が多い事例です。

ほとんどの場合、犯人は銃を持っておりバイクに乗っております。銃を持ち突きつけながら「お金をよこせ!」または「持っている物をすべてよこせ!」と言ってきます。その場合は一切抵抗せず大人しく渡すよう渡してください!薬物をしている可能性も高いため刺激を与えると発砲してくる可能性があります。昼間でも夜でも起こりえますのでなるべく一人で外を歩かない事を勧めます。

タクシーやGrabでは銃で脅さるような事はありませんので一人で出掛ける際にはタクシーかGrabを利用して移動しましょう。

犯罪に巻き込まれないための対処方法

声を掛けられても絶対について行かない

声を掛けられても絶対について行かない

日本人の人の良さ、断わることのできない優柔不断な性格は犯罪者にとってよいカモです。

モールや道を歩いていると驚くほどフィリピン人に声を掛けられます。

あなたは日本で街を歩いている外国人に突然声を掛け自分の家に招待したり、飲みに行こうと誘ったりしますか?しませんよね、普通は…。

陽気なフィリピン人であれ、突然話しかけてくる相手は絶対に警戒して対応しましょう。

自分は日本に何年住んでいたんだとか、共通の話題を見つけては言葉巧みに誘ってきます。(中には悪意のない人もいるのも事実ですが…。見分けられないのであれば、リスクを冒す必要はありません。) はっきりと"No"と誘いを断りましょう。

大金や貴重品を持ち歩かない

留学生の場合は生活費も含めそれなりのお金を持っていることが多いと思いますが外出をする際には、必要最低限の現金のみを持ち歩くように心がけ、万一強盗やトラブルに遭遇してしまった場合は素直に従ってください。(決して逆らったり、暴力行為は行わないように注意して下さい。絶対にです。)

どうしても財布を持ち歩く場合には、口がしっかり閉じれるショルダーバックなどを前向きに持って行動をするようにしましょう。

強盗などに遭遇してしまった場合は現金だけではなくクレジットカードなども持っている場合は、ATMまで連れて行かれ、その場で現金を引き出すよう指示される場合があるため、極力カードも持ち歩かないようにしましょう。(※また、キャッシングの限度額などを日本で必ず確認して、必要以上引き出せないようにしておきましょう。)

夜中に出歩かない

夜中に出歩かない

深夜にウロウロしてもそれほど危なくない国は日本ぐらいです。(※日本でも場所によっては危ないですが…。)

夜間、夜中にフィリピンで行動することはかなり危険な行為になりますので、十分に注意してください。 危ないので夜にジョギングしている人なんか見かけることはない。といえば少しイメージができるでしょうか…。 週末は平日の勉強から解放されたといってついつい羽目を外し過ぎないように注意して下さい。 どうしてもで歩く必要がある場合は、単独行動は避け、2人以上で行動してください。

歓楽街やクラブなどはトラブルに巻き込まれる可能性が高いため、近づかないようにしましょう。

目立つ(派手な)服装や、高価なアクセサリーを身に着けない。

アクセサリーを身に着けない

近年目覚ましい経済成長をしているフィリピンですが、平均月収は30,000円~50,000円ほどです。

高そうな腕時計、高価な指輪などの貴金属類は身に着けていると確実に狙われます。 極力目立たないファッションを心がけてましょう。

フィリピンの治安まとめ

如何だったでしょうか?

一言にフィリピンといっても地域差がかなりあり、都市によって治安はかなり違ってきます。

注意をして欲しいのは、留学に人気のセブ島は実際のところあまり治安は良くありませんし、むしろ悪いということです。 今では毎年3万人以上がフィリピンに語学留学に訪れています。

フィリピン留学が当たり前の時代になり、何となく治安の悪さは薄れてしまって、軽率な行動をしている留学生の姿も良く見かけます。

今までのところ新聞やテレビを賑わすような大事件は起こっていませんが、このままではいずれ大きな事件に繋がるのも時間の問題ではないかと危惧しております。

海外だから少しぐらい…と、羽目を外さず、語学留学のためにフィリピンに来ていることを常に念頭におき、責任のある行動と充実した留学ライフを送りましょう。

この記事を書いた人

宮川稔基

セブ島留学マスター代表

2008年に28才で会社設立。フィリピン留学専門エージェント「セブ島留学マスター」の運営を中心に、旅行会社や国内留学事業、Web制作事業、通販サイトなども運営。

長年フィリピンに精通していますので留学相談に限らず何でも相談してください。フットサルとキャンプ釣りなどアウトドア全般が好きです。

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