【フィリピン渡航前の必須準備】必要な薬の持ち込み方法と現地の医療事情を徹底解説

公開日:2024-9-13 更新日: 2024-09-13

フィリピンへの渡航を検討する際、衛生状態や環境面について不安を感じる方も多いかもしれません。

特に留学を予定している方にとって、現地での体調管理は重要な課題です。

「日本からフィリピンに薬を持ち込む際の注意点は?」

「フィリピン渡航中に病気になってしまったらどうしよう…」

「フィリピンの薬局で販売している薬は危険?」

留学を安心・安全に充実させるため、様々な不安があるでしょう。

今回は、フィリピン渡航に忘れてはいけない常備薬、フィリピンで薬を手に入れる方法や、薬を持ち込む際の注意点をご紹介します。

フィリピン留学を安心して楽しむために、ぜひ参考にしてください。

目次[開く]

フィリピンへ医薬品を持ち込む方法

税関の様子

フィリピンに薬を持ち込むのはOK?

日本から薬を持ち込もうとすると「空港の税関で止められてしまうのでは?」と不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

基本的に日本国内で購入した市販薬や処方された薬剤のほとんどは、海外に持ち込むことが可能です。

ただし精神安定剤や抗うつ薬などの一部の薬剤は、フィリピンでは規制薬物に指定されている場合があります。この場合、持ち込みにはフィリピンの食品医薬品局(FDA)からの事前許可が必要となることがあります。

その場合、持ち込みの際に特別な手続きが必要な可能性があるため注意が必要です。

渡航前に必要な手続きを確認し、必要に応じて主治医や旅行会社に相談しましょう。

滞在日数に見合った薬の量を持ち込む

フィリピンは持ち込む医薬品の量に上限の設定はされていませんが、滞在日数に見合う量の医薬品やサプリメントを持ち込むようにしましょう。

例えば、滞在日数が1週間なのに半年分の医薬品を持ち込もうとすると「販売目的を疑われる・没収される・課税される」などの問題が生じる可能性があります。

薬を持参する場合、滞在期間プラス1〜2週間程度の量を持って行くのがオススメです。

そして1週間分程度の医薬品は、手荷物として持ち込みましょう。

海外旅行では、航空会社に預けた荷物が紛失する(ロストバゲージ)ことも少なくありません。荷物が戻ってくるまでの間、しのげるだけの医薬品は手元に置いておくべきです。

「薬剤携行証明書」を英文にて作成してもらう

持病の治療薬を留学先でも服用する必要がある場合は、主治医に海外渡航を予定していることを伝え「薬剤携行証明書」を英文にて作成してもらうと安心です。

「薬剤携行証明書」には薬剤の正式名称が英名で記載されているため、税関でのトラブルも起こりづらく、スムーズに持ち込みが可能です。

液体状の薬は機内持ち込みの場合、注意が必要

インシュリンなどの注射薬や液体状の薬を機内に持ち込む際には、100ミリリットル以下の容器に入れて持ち込む必要があります。

そして各容器は、縦横の辺の合計が40cm以内の透明な再封可能なプラスチック袋(ジップロック)に入れる必要があります。

粉薬を持ち込む場合は注意が必要

粉薬を海外に持ち込む際には、違法薬物と誤解されるリスクがあります。

そのため、粉薬は必ず処方箋や成分を明記したラベル付きのパッケージに入れて持参し、必要に応じて『薬剤携行証明書』を用意することをオススメします。

また主治医に相談し、可能であれば他の形状の医薬品に変更してもらいましょう。

医薬品の成分を英語で表記しておく

フィリピンではほとんどの場合、医薬品の持ち込みにあたって特別な書類は必要ありません。

税関で「何の薬か」などと尋ねられる場合があるため、処方箋医薬品は英語で成分名を表記しておくと安心です。

主治医に「薬剤携行証明書」の記載をお願いするのも良いでしょう。「薬剤携行証明書」や診断書は、現地の医療機関に受診する際にも役立ちます。

パッケージのまま持ち込む

市販薬を海外に持ち込む場合には、必ずパッケージ(箱など)に入ったまま持ち込みましょう。

パッケージから出した状態で持参してしまうと薬の成分が判断できず、持ち込みの際に申請をする必要があったり、場合によっては持ち込みが出来なかったりということもあり得ます。正規の医薬品であることが分かる状態にしておくことで、トラブルを未然に回避できます。

粉薬の場合は正規の医薬品かどうかの判断が難しく、白い粉末の場合は違法薬物を疑われることもあります。

持参した方が良い常備薬

持参する薬を選ぶ様子

解熱鎮痛剤

フィリピンでの滞在期間に関わらず持って行っていただきたいのが解熱鎮痛剤です。

フィリピンで生活を始めると不安なことや思い通りにいかない事がたくさんあり、そんな環境に対応するためには普段よりも体力や精神力を使い、小さなストレスの積み重ねで普段は滅多に風邪をひかない方でも体調を崩すことがあります。

そのような中で、ちょっとした頭痛や喉の痛み、発熱など万能薬として使えるものが良いでしょう。日頃使っている慣れたものを持っていくのがオススメです。

風邪をひかなくとも、風邪薬を持参していると自覚していることで、何かあった時のために安心なので風邪薬などの常備薬は忘れず持っていきましょう。

下痢止め・整腸剤

フィリピンは、日本よりも衛生状態がよくない場合があるため、屋台の食べ物や水で食あたりを起こすことも考えられます。

フィリピンは香辛料のきいた食べ物が多く、慣れない味付けでお腹を下してしまう方も少なくありません。念のため、下痢止めや整腸剤を持っておくと安心です。

生焼けの食べ物や現地の水による「食あたり」の場合は、下痢を止めない方が良いこともあります。

下痢だけはなく、発熱や嘔吐がある場合は必ず早めに医療機関を受診しましょう。

かゆみ止め

かゆみ止めは、虫刺されやあせもやかぶれなど肌トラブルのときにも使えます。

眠くなりにくい成分のかゆみ止め(抗ヒスタミン薬)を用意しておくことをオススメします。飲み薬・塗り薬タイプ両方のかゆみ止めがあると便利です。

酔い止め

日本の安全運転に慣れていると、フィリピンの荒い運転のバスに少し乗っただけで酔ってしまうということもあるので酔い止め薬を持参することをオススメします。

日本には酔ってからでも効く酔い止め薬が多数販売されているので、乗り物酔いが心配な方は必須です。

目薬

疲れた目に潤いを与え、目覚めるような爽快感を与えてくれる目薬。

フィリピンでも目薬は販売されていますが「目に入れる」という特質上、日本製のものが安心できるでしょう。

加えて、フィリピン人には目薬を使うという習慣がなく、目薬を取り扱っている薬局はほとんど無いので、ドライアイの方はもちろん、久々に何時間も勉強するので疲れ目が心配という方は日本から目薬を持参するのが良いでしょう。

長期の滞在の方は普段の目薬の使用量から考えて、1つで足りなさそうであれば複数個持っていくのがオススメです。

コンタクトレンズ・保存液

フィリピンで販売されているコンタクトや保存液は、日本で見る安全なものが安価で売られているわけではありません。

フィリピンでは日本と比較するとコンタクトの普及率が低く、必ずしも自分が普段使っている製品を買えるとは限りません。目はデリケートな部位なので、普段使用しているコンタクトレンズや保存液を持参するのが良いでしょう。

保存液は現地での購入が可能ですが、品質が気になる方や短期の滞在の方には普段使っているものを持参することをオススメします。

普段はメガネを着用して過ごして、休日だけコンタクトをつけるという方以外は日数分持っていくのが良いでしょう。

栄養サプリメント

基本的には持参しなくても大丈夫なものなので、忘れがちなのがサプリメント。

しかしフィリピンでは野菜を積極的に摂取する文化がなく、飲食店のメニューも野菜少なめなのが現状です。

気になる方は、栄養補助のサプリメントを持っていくと良いでしょう。

日焼け止め

フィリピンは南国なので1年中真夏で、日差しは日本と比べものにならないくらい強いです。

海でリゾート気分を味わっている間は、強い直射日光にさらされているので日焼け止めは必須になります。

肌に直接触れるものなので、肌が弱い方や海外製品の品質が気になる方は日本製の日焼け止めを持参しましょう。

学校で勉強をする時間の方が多いという方は、外出時に使用する用の長時間紫外線を防いでくれるSPF50+のものに加え、肌への負担が小さいSPF30+のものも一緒に持参することがベターです。

生理用品

女性に必須なのは生理用品。日本の生理用品はフィリピンだけでなく他の海外製品と比べても圧倒的にクオリティが高いです。

日本製に慣れていると、現地で購入したものが肌に合わないということが多々あります。

デリケートな問題なので日本製の生理用品がオススメです。

短期の方で海外のものでも気にならないという方は問題ありませんが、肌が弱い方や長期で留学する方は、ある程度日本製の生理用品を持参しましょう。

都市部の大手ドラッグストアではタンポンを購入できる場合がありますが、種類や在庫が限られていることが多いです。確実に使用したい方は、日本からタンポンを持参することをオススメします。

マスク

セブ市内を始め、都市部などの栄えている地域では交通量も多いです。バイクや排気ガスが思っているよりも多いため、市内は埃っぽく直にその空気を吸ってしまいます。

そしてエアコンを使用している学校では、空気が乾燥しています。

喉を傷めてしまう可能性があるので、普段はマスクやハンカチを使わない方でも、フィリピンに行く際には持参することを忘れないようにしましょう。

フィリピンで薬を購入する方法

薬局で薬剤師に相談する様子

市販薬を購入する

フィリピンでは、大手チェーンのドラッグストアや路面店(ストリートベンダー)などで市販薬を取り扱っています。

安全のためには、大手チェーンのドラッグストアで購入するのが良いでしょう。

フィリピンの場合、薬の買い方が日本とはかなり異なるのでフィリピンでの薬の買い方を紹介します。

  • 薬を買いたい旨をお店のカウンターで伝える
  • 番号札をもらう
  • 番号が呼ばれたらカウンターに行き、希望の薬と錠数を伝えてお会計をする

基本的な流れは上記となりますが、カウンターがすいている時は番号札をもらわず、そのままお会計まで可能です。

フィリピンでは多くの薬が処方箋なしで購入できますが、特定の薬は処方箋が必要です。

薬局によっては処方箋なしでも薬剤師の判断で提供されることがありますが、必ず安全性を確認し可能であれば医師に相談してから購入するようにしましょう。

また以下はフィリピンの大手ドラッグストアの一覧になります。

  • The Generics Pharmacy(ジェネリシス薬局)Generika Drugstore(ジェネリカドラッグストア)
  • Generika Drugstore(ジェネリカドラッグストア)
  • South Star Drug(サウススタードラッグ)
  • Rose Pharmacy(ローズファマシー)
  • Seiryu(セイリュウ薬局※日系企業)
  • Watsons Philippines(ワトソン・フィリピン)

フィリピンに限った話ではありませんが、海外では品質の悪い薬が売られていたり、違法薬物が混じっていたりすることがあるため、ローカルの路面店で医薬品を購入することはあまりオススメできません。

偽物や違法薬物だったとしても見分けがつかないため、フィリピン現地の人からもらう医薬品にも注意を払いましょう。

病院を受診する

日本からの留学生は私立病院を利用することが多いため、医療のレベルや衛生面での心配はあまりありませんが、治療費が高額であるため海外旅行保険には必ず加入しておきましょう。

病院を受診したい場合は、まず加入している保険会社に連絡し、指定された提携医療機関を確認しましょう。保険会社が直接病院に連絡を取ってくれる場合もあるため、緊急時には早めの対応が重要です。

マニラ首都圏やセブ島には、日本語医療通訳や、受診のサポートをしてくれる日本人スタッフが常駐している医療機関がいくつかあります。

サポートは有償となる場合もありますが、日本語で受診したいときには活用すると良いでしょう。保険会社が、お近くの医療機関をピックアップしてくれます。

受診の際は「現金・クレジットカード・海外旅行傷害保険証書」を忘れずに準備していきましょう。

首都のマニラやセブは、医療のレベルが比較的高く、日本と遜色ない診療を受けることが可能です。

しかし、フィリピンは都市部と地方での貧富の差が激しい傾向にあり、地方の医療レベルは都市部と比べて劣っていることが多いです。フィリピンで医療機関を利用する際は、都市部の大手病院を選びましょう。都市部の病院は医療レベルが比較的高く、英語が通じる医師も多く在籍しています。事前に保険会社に確認し、提携している病院を把握しておくと安心です。

フィリピンの薬は摂取しない方が良い?危険性は?

カラフルな薬

フィリピンで生産される薬は赤・青・緑など、まるで海外のお菓子のような見た目のものも多いです。

「本当に効果はあるの?危険性は?」

不安に感じてしまいますが、少なくとも大手ドラッグストアの薬剤師に処方してもらう医薬品は危険ではありません。

なぜなら大手ドラッグストアの場合「ISO(国際標準化機構)」という国際基準を満たしたものを販売しているからです。

ただし日本の医薬品とは成分の配合が異なるため、「日本人の体に合うことを保証するものではない」ということを理解しておきましょう。

フィリピンで薬を購入する際の注意点

薬剤師にオススメの薬を教えてもらう様子

ローカルの薬局では薬を購入しない方が良い

フィリピンでは「サリサリストア」と呼ばれるコンビニのような小売店が点在しています。

ローカルのお客さんが集う、日用品やお菓子類、お酒などを小売している小さなお店です。

サリサリストアで医薬品が小売販売されていることがありますが、こちらは注意が必要になります。

サリサリストアは正規のドラックストアではなく、薬剤師も不在です。

以前に飲んだことがあるものや見覚えのある医薬品が並んでいたとしても、その薬が正規品とは限らないため、購入することはオススメしません。

安全のため、必ず大手のドラッグストアや信頼できる薬局で購入しましょう。

「安さ」重視の場合

フィリピンの薬局で販売されている医薬品の価格順は、アメリカ製>フィリピン製>フィリピン製のジェネリック医薬品>インド・中国製のジェネリック医薬品となっています。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、これまで有効性や安全性が実証されてきた新薬と同等と認められた低価格なお薬です。

何も言わなければ先発医薬品タイプの薬が出されますが「Generic please.」というと、値段の安いジェネリック・タイプの薬を処方してもらえます。

薬によってはジェネリック自体がないこともあるので、注意が必要です。

「質」重視の場合

特に指定がなければフィリピン製の薬を販売する薬局がほとんどです。

より質の高い薬を購入したい場合は「Can I check all brand’s medicine?」と聞いてみましょう。

各製薬会社の薬を持ってきてもらえますので、その中から薬剤師がすすめる薬か、一番高い薬を選びましょう。

【番外編】渡航中に気を付けたい病気

熱を出して寝込む様子

食中毒

フィリピンで生じる体調不良として、最も多いのが食中毒と言われています。

日本と比較すると、フィリピンは衛生状態が完全ではないため「生水を飲まない、氷の入った飲み物を飲まない、屋台などで火を通さない食品(カットフルーツなど)を購入しない」といった注意点を守るようにしましょう。

食中毒による下痢の場合、下痢止めは使わないほうが良いです。水分を少しずつとりながら、無理せずに治まるのを待ちましょう。

マラリア・デング熱

マラリアやデング熱は、蚊によって媒介されるウイルス性の感染症です。

蚊に刺されないように長袖を着用する・虫除けスプレーを使うといった対策を取る必要があります。

感染した場合、高熱や関節痛など風邪のような症状や、発疹ができるのが特徴です。

症状が軽度であれば、安静にして様子をみるといった対処法で問題ありませんが、熱が下がらなかったり、呼吸が苦しい、出血する(吐血、下血、あざの出現など)といった症状があれば重症化している可能性があるため、医療機関を受診しましょう。

狂犬病

狂犬病は治療方法がなく、発症してしまうとほぼ100%死亡する危険な感染症です。

フィリピンでは毎年多くの方が狂犬病による感染症で亡くなっています。

犬や猫、コウモリ、ネズミなど、むやみに野生動物に触れないようにしてください。予防のためのワクチンは3回の接種が推奨されていますので、留学が決まったら余裕を持ってワクチン接種のスケジュールを立てましょう。

動物に噛まれたり引っ掻かれたりした場合は、念のためすぐにフィリピンの医療機関へかかり、発症を予防するための処置を行ってもらいましょう。

どの動物も、狂犬病のウイルスを保持している可能性があると考えて行動してください。

まとめ

薬を飲む様子

以上「フィリピンの薬事情」についてご紹介しましたが、いかがでしょうか。

フィリピンへの渡航や留学を計画している方にとって、現地の環境や衛生状態についての不安は少なからずあるでしょう。

初めての海外留学では、言語の壁や医療事情の違いなど、様々な課題が頭をよぎるかもしれません。

渡航中に「あれ、熱っぽい?」と日本から持参した薬を服用しても、日本の薬が効かない……ということもあります。

そのような場合、無理をせずフィリピンの医療機関を利用しましょう。

医師の診断のもとで処方された現地の薬が、効果を発揮する場合もあります。

そして持病の治療や体調不良に備えた常備薬は、滞在日数に合わせて十分な量を持ち込みましょう。

事前にしっかりと準備を整えることで、フィリピンでの体調不良や医療に対する不安を軽減し、安心して留学生活を送ることができます。

日本からの常備薬の持参や、現地の医療機関の利用方法を理解し、安全で充実した留学生活を楽しみましょう。

この記事を書いた人

宮川稔基

セブ島留学マスター代表

2008年に28才で会社設立。フィリピン留学専門エージェント「セブ島留学マスター」の運営を中心に、旅行会社や国内留学事業、Web制作事業、通販サイトなども運営。

長年フィリピンに精通していますので留学相談に限らず何でも相談してください。フットサルとキャンプ釣りなどアウトドア全般が好きです。

留学相談
\ 最低価格保証でフィリピン留学のお申込できます /